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ビタミン のメリット、 効能 効果 を利用しておこなう ダイエット に関する情報。 現代の日本人が肥満になるのはなぜか。

手軽で便利なインスタント食品、加工食品はビタミンBが圧倒的に不足

エネルギー源としてのブドウ糖が完全燃焼するためには、B1、B2、B12、そしてナイアシン、葉酸などさまざまなビタミンB群が十分に用意されていなければなりません。そうでないと脳に蓄積されているビタミンB群がどんどん消費され、その一方で、ブドウ糖は完全燃焼しきらず、燃え残りである乳酸が脳の中にたまっていくようになります。

これはアルコール中毒症の人の脳と同じ状態で、B群の不足した食事を長く続けている場合には、正常な精神活動ができなくなって当然なのです。ビタミンB群が不足することでイライラするのはこのためです。ちょっとしたことで動揺しやすい、誇大妄想的になる、短気、もの忘れが激しい、といった状態です。

ビタミンB 群の極端に不足した食べ物といえば、子供の大好きなインスタントラーメンや砂糖の多い菓子、清涼飲料水、アイスクリームそしてスナック菓子、白米、白パンなどです。加工され、精製されるほどビタミンB群は失われてしまいます。

もう1つの問題は、ビタミンB 群は熱に弱くこわれやすいうえに、水に流出してしまったりするので、調理中の損失が少なくないことです。日本人のビタミンB1平均摂取量は、この10年以上にわたって所要量を十分に満たしている。つまり、ビタミンBlは十分にとれているとされています。しかし、さきほどの報告を合わせてみると、ちょっと食事が乱れれば、ビタミンB群がすぐに不足してくることも、十分に考えられるわけです。

口内炎や口角炎、吹き出物が頻繁にできる人はビタミンBの摂取を見直したほうがいいかもしれません。

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成人病は現代食が原因で起きる食源病

日本人の食環境は、和食からカロリー過多で副栄養素が欠乏する現代食に変わったことで、「栄養過剰の栄養失調」というアンバランスが拡大しました。
ここで何より理解しなければならないことは、その新たな食環境に日本人が全く順応できず、「肥満」や「隠れ肥満」という形だけでなく、多くの成人病が急増し続ける原因となっているということです。

このアンバランスによってもたらされる「病気」についてです。
日本人は元来、ビタミン、ミネラル、食物線維を豊富に含む和食を中心に食生活を送っていたので、現在の成人病という病気にはあまり縁のない国民でした。
昔は胃ガンが主流だったガンも、最近では欧米と同じ大腸ガンや乳ガンが多くなり、心血管障害では心筋梗塞の激増、脳血管障害では脳出血から脳梗塞の激増へと変化しています。
つまり血管障害は、動脈硬化性へと変貌をとげたのです。この動脈硬化も大腸ガンや乳ガンも、実は欧米先進国の専売特許だったはずの疾病です。それが日本人にも、同じようにもたらされている。

これは、日本人が和食を忘れ欧米人と同じ食生活を始めたことが、原因の一端を担っているといってよいでしょう。3000年以上もほとんど変わらぬ食歴を持っている日本人が、こうした時代の急激な変化に順応できるわけがないのです。
その兆候が成人病の急増という形での淘汰なのではないかと考えられます。

このまま欧米化した食生活を続ければ、日本人は世界的にも稀有な食歴を持つだけに、真っ先に滅びてしまう可能性があります。
しかし生き延びる術はあるのです! それには、古い常識(過去の日本人の、代謝を考慮しないダイエット方法) は忘れることです。

現在の社会を見ても、20世紀の常識はことごとく通用しなくなっています。同じようにダイエットの常識も変化しているのです。このことにいち早く気付き、新たな価値観を持つことが大切なのです。

少しでも、やせたい、キレイになりたい、健康になりたい、生きがいを持って生きたい、強くなりたいという向上心があれば、きっと健康で美しい体を手にすることができるはずです。

日本人に最適な「日本人用ダイエット」

現代食のアンバランスである「栄養過剰の栄養失調」を克服するために、どうしたらいいのでしょうか?それには、まず、日本人であることを自覚しなければなりません。医学的に見ても、日本人の体は欧米人と比べて違うところがいくつもあります。
代謝システムでいえば、膵臓から出るインスリンという血糖を下げるホルモンの分泌が、難消化性のお米をメインに食べてきたために緩徐で少なくしか出せません。また牛乳の乳糖を分解する酵素であるラクターゼの活性が低いために、牛乳から十十分に栄養が吸収できなかったり、肉のように消化の際に毒素が多く出る食物を食べると腸が長いために欧米人よりはるかに長い時間、毒素にさらされることになります。
つまり、日本人が現代食に代表される欧米食を食べ続けることは代謝に負担をかけてしまうことになるのです。
それは世界でも前例のないほど豊かで一定の食歴を持っていたからにほかなりません。
機構的にも恵まれ温帯に属し、雨量も豊富で四季折々の農作物がとれ山や川では果物やきのこ類、川魚などもあり、お米という世界唯一の主食が採れ、海に囲まれているので魚介類も豊富… 等々。

そこから生まれた和食の文化は素晴らしく、多湿という環境を生かし味噌や醤油や納豆といった微生物を利用した発酵食品を作りだし、カテキンを含む茶を飲み、穀物や豆類を一緒に食べることで脂肪をほとんど含まない形で蛋白質を十分に摂取するという伝統食をつくり上げたのです。
また、穀物からは十分な炭水化物を、大豆からレシチンを、魚や野菜からはEPA・DHAを含むオメガ3をバランス良く摂取していたのです。この食歴によって育まれた私たちの体は、和食を代謝しやすいように、またそこから十分に栄養を消化吸収できるように代謝システムをつくってきたのです。

そんな日本人の体が、和食とは正反対の、カロリー過多で副栄養素の少ない欧米化した現代食を摂れば、体に負担をかけるばかりで十分に代謝できるはずがありません。
こうした急激な環境の変化に、一代二代で適応できるわけがないのです。しかし現代に生きる者として、現代食を受け入れずに生きていくことはできません。だからこそ、日本人が今後も現代食を食べ生き続けていくためには、日本人が摂ってきた食歴を考慮しなければならないのです。長い期間、日本人が和食から十分に摂ってきた栄養素であるビタミン、ミネラル、植物性蛋白質、食物繊維、レシチン、EPA・DHA (オメガ3) は、現代食では完全に不足しています。これらをできるだけカロリーを含まないサプリメントという形で補給することは、最低限必要なことなのです。これが『ビタミン・ダイエットJAPAN』が誕生した理由です。日本人の代謝を正常化するために、日本人用のサプリメント補給方法を示したもの。それがビタミン・ダイエットなのです。では、いよいよ「日本人用ダイエット」とは具体的にどんなものかをまとめてみると、

  1. 栄養過剰をどうするか
    レジスタント・スターチ・ダイエット
  2. 栄養失調をどうするか
    ビタミンダイエット
  3. 代謝を上げるにはどうするか
    ボディ&エネルギーメイク・ダイエット
  4. 代謝を正常化し続けるにはどうするか
    メンタル・ダイエット

この4つのダイエットを最優先に実行することが、現代日本人には不可欠なのです。このダイエットは私たちの食歴とそこから生まれた代謝システムを考慮した、日本人の未来を支援するダイエット法なのです。

現代食でカロリー・ダイエットを行っても失敗してしまう理由

ここで現代食によるカロリー・ダイエットがうまくいかない理由を、理解しておきましょう。カロリー・ダイエットとは、カロリー10対ビタミン3(代謝3/余剰カロリー7 )という食事をしていた人が、食事の摂取を我慢することによってカロリーを10から7に減らそうというものです。

当然、食事量を減らせばビタミンの摂取量も減り、3だったビタミンも1になってしまいます。
カロリー7対ビタミン1 (代謝1/余剰カロリー6)のバランスになった場合、代謝によりつくることが可能なエネルギーは、ビタミンと同じ1までということになり、残りの6が脂肪として蓄えられます。

確かに、我慢する前の余剰カロリーは7だったので、蓄えられる脂肪は理論上は1少なくなったことになります。
しかしここで問題なのは、カロリー・ダイエットをする前までは3 エネルギーを出せていた人が、1しかエネルギーを出せなくなってしまうことです。分かりやすくいえば、1日の活動量が3分の1になるわけですから、体の中で最も代謝に関わる臓器である筋肉が減り、基礎代謝という何もしなくても消費されるエネルルギ一量(基礎代謝量) も減ってしまうことになるのです。

筋肉だけでなく、活動量が減れば骨への負荷が減少し骨畳も減るので、脂肪が増えても、それよりもはるかに重い筋肉や骨が減るのですから、体重は少なくなりますが、逆に体脂肪率は確実に増えてしまいます。

ちなみに体脂肪率は、女性なら30パーセント、男性でしたら25パーセントを超えると成人病の発症率は急速に増加します。*3ダイエット前までは3 のエネルギーを出せていた人も、筋肉が減り、基礎代謝量が減ることで、ダイエット後には1しかエネルギーを出せない体になっています。

本能的に飢餓を嫌う私たちがカロリー・ダイエットを続けることには無理があり、ほとんどが数日~数カ月で元の食事量に戻ります。そうしますとまた、元の10対3のバランスになりますが、カロリー・ダイエットによって1 までしかエネルギーを出せない体(筋肉量) になっていますので、ビタミンは3あっても1までしか使えないのです。
つまりカロリー・ダイエットをする前には7であった余剰カロリーは、カロリー・ダイエットによって10-1 =9となり、何とこの9が脂肪となってしまうわけです。同じものを食べても、カロリー・ダイエット後には余剰カロリーが増え、ますます肥満を助長することになるのです。これをリバウンドで太るといいますが、現実には飢餓→リバウンド→飢餓→リバウンドという肥満スパイラルに陥り、確実に太り、体脂肪も増え、骨董が減り、健康にも悪影響を残すことになるのです。

ダイエットには、もともと「健康」という概念が含まれています。健康につながらない痩身法をダイエットとは呼べませんので、現代食のみのカロリー・ダイエットは、ダイエットとは呼ばず『飢餓痩身法』と呼んだ方がいいでしょう。

このカロリー・ダイエットによる弊害として今、私が最も注目しているのは日本の若い女性の『見た目やせ=隠れ肥満』の現状です。
見た目はやせているのに体脂肪率が異様に高いという女性の多くは、カロリー・ダイエットをしているというデータもあるので参考にしてみてください。
かくれ肥満についてはこちらで自己チェックができます。
現代食で不足しているビタミンを増やそうとするとカロリーも一緒に増え、逆に過剰なカロリーを減らそうとすると、不足するビタミンはますます不足してしまう。アンバランスな現代食を、いくら増減させても何の意味もないのです。

現代食でビタミン(副栄養素)を増やそうとすると肥満を助長する

過去に栄養指導だけでダイエットのサポートを試みたことがありました。そのダイエット法とは、やせるために必要な栄養素であるビタミンB2やレシチン、ビタミンC、ビタミンEを多く含む現代食を積極的に合艮べるというものでした。
やせるために必要な栄養素をたっぷり補給し、代謝を上げ、脂肪を燃焼させるということは理論的には全く正しい発想であると考えたのです。
ところがいざフタを開けてみると、患者さんは皆一様に、それも徐々に太ってしまったのです。これは明らかに大失敗です。そこで私は原因を追究すべく、栄養学の勉強を一から始め、前述の現代食の特徴である栄養のアンバランスを知ることになりました。この現代食によるダイエット法の失敗の理由は次のとおりです。

まず、太っていた人がこれまで食べていた食事のバランスは、カロリー10に対しビタミン3であったとします。この場合、エネルギーに変えることのできるカロリーは3までなので、余剰カロリーは10-3=7 。ということで、7が脂肪として蓄えられていたのです。
今まで3だったビタミンを、ビタミンを多く含む食品を摂ることによって5まで増やしました。ところが現代食でビタミンを増やそうとすると、どうしてもカロリーも付いてきてしまいます。
10だったカロリーはビタミンと同様に増え、15になっていたわけです。すると代謝は、カロリー15対ビタミン5 ということで、エネルギーは5 までつくれるようになりますが、カロリーの余りは15-5= 10。つまり余剰カロリーは7から10 になってしまったのです。
現代食でビタミンを増やそうとするとカロリーも同時に増えてしまい、余剰カロリーは7から10 へ。
つまり3余計に太る結果となったわけです。
現代食では食べ合わせが増えれば増えるほど、余剰カロリーも増え、より太ってしまうのです。この現代食の特徴であるアンバランスがある限り、食事による副栄養素の増加だけではカロリーも付いてきてしまい、アンバランスは解消されません。そればかりか、代謝の改善も望めません。
この間題点を克服するためにつくられたのがサプリメントなのです。サプリメントはカロリーを持たない副栄養素で、現代食のアンバランスを解消するために、サプリメントを利用することはとても効果的なのです。
現代人にサプリが必要な理由がこのあたりにあるのです。

現代食は「栄養過剰の栄養失調」になったのか?

現代食を栄養学的に分析してみると、炭水化物、脂肪、蛋白質という3大栄養素であるカロリーは摂取過多で、それを代謝するために必要な副栄養素であるビタミン、ミネラル、ファイバーなどが欠乏しています。
それでは、なぜ副栄養素の失調が現代食に起こったのかを検証していきたいと思います。現代食には昔の食事と違う次の3点があります。

  1. )素材そのものの栄養価の低下
  2. 加工食品(欧米食)の増加(
  3. ライフスタイルの変化

まず、現在、生産されている野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素が、昔と比べると非常に少なくなっています。
よくお年寄りが「昔のトマトはもっと甘くて果物のようだった」とか「キュウリはもっと独特の青臭さみがあった」と言っているのを聞くことがありますが、それは味の記憶として残る確かなものでしょう。
その甘みや苦みにこそさまざまな栄養が含まれていたわけです。
実際に必要とするビタミンを生野菜から摂ろうとしたなら、昔の8~20倍、重さにすると400~500グラムもの量を食べなければならないといわれています。
しかし、このような大量の野菜を毎日皆が食べることは、現実的には不可能でしょう。
とはいえ、素材そのものに栄養価が少なくなっても、野菜や米や魚などを率先して食べていればまだましなのですが、現代食のように肉や抽を中心とした食事では副栄養素を含む素材の利用率も低くなっています。意識して副栄養素を多く含むものを食べている人でも、不足してしまうのが現実です。

さらに、栄養価の少なくなった生野菜を、切って、水につけて、熟を加えるといった料理という加工を施すことによって、副栄養素はさらにそぎ落とされていくのです。

そしてライフスタイルの変化ですが、これにより体内ではビタミンの消費量が、どんどん増加しているのです。社会の変化により私たちにかかるストレスは、身体的なものから精神的なものへと変化しています。

肉体は身体的ストレスには慣れやすく、抗ストレスホルモンの分泌量は回を重ねるたびに少なくなっていきますが、精神的ストレスは逆に回を重ねるほど多くなっていくのです。
このストレスホルモンを生産する際には、多量のビタミンが消費されます。ストレスが身体的なものから精神的なものへ変化している現代は、それに伴う抗ストレスホルモンの分泌量も増え、ビタミンの需要(消費量) も増大しているのです。

また薬を飲んでも、タバコを吸っても、お酒を飲んでも、痛みを感じても、スポーツをしても、水道水を飲んでも、ビタミンは破壊または消費されてしまうのです。

現在と過去のライフスタイルは劇的に変化しています。この変化により、現代の副栄養素の必要量は、日に日に増大しているのです。では、こうした少ない副栄養素の摂取量で、私たちがどのような代謝を行っているのかを説明してみましょう。

例えば、今朝食べた朝食の中にカロリーが10入っていてビタミンが3しか入っていなかったと仮定すると、私たちの体の中で行われる代謝でエネルギーの生産は、理論上ビタミンと同じ3までということになります。
余ったカロリー7は体にさまざまな形で蓄えられ、皮下に貯まれば皮下脂肪に、内臓周辺に貯まれば内臓脂肪に、肝臓に貯まれば脂肪肝に、動脈に貯まれば動脈硬化を引き起こす原因となっているのです。
もしも毎食毎食このカロリー10とビタミン3 のバランスで食事を摂り続けていけば、毎食毎食必ず7が余り続けることになります。
つまりそれが肥満であり、ゆくゆくは成人病をつくることになるのです。摂取したカロリーを効率的に過不足なくエネルギーに変えるには、必ずそれに見合うビタミン摂取量が最低限なければダメです。
カロリーが10ならビタミンは10 以上。これをしっかりと覚えておいてください。現代人の代謝のイニシアチブを握っているのは、不足しているビタミンをはじめとする副栄養素の摂取量なのですから。

痩せも肥満も栄養失調が原因、肥満になるもうひとつの栄養失調について

肥満もやせもどちらも現代の栄養失調

「栄養失調」という言葉を聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか? 多くの人は、難民の子供たちがガリガリにやせている姿を思い浮かべるのではないでしょうか。この難民タイプの栄養失調は、カロリーである3大栄養素(炭水化物、蛋白質、脂肪) と、それを体内で吸収し効率的に利用、貯蔵、排泄に至るまでの、すべてをコントロールするのに不可欠な副栄養素(ビタミン、ミネラル、食物繊維など) の両方が不足して起こります。

このカロリーと、それを代謝するために必要な副栄養素の摂取バランスが、私たちの体にさまざまな変化をもたらしているのです。

カロリーの消費(代謝)には、大きく分けて2つの代謝を考えなければなりません。1つは「新陳代謝(基礎代謝と同じ意味)」、もう1つが「エネルギー代謝(運動誘発性のものと食事誘発性のものがある)」です。これらは、どちらも私たちの意思によりある程度コントロールできることが分かってきました。

「ダイエットとは人の生活をより豊かにするために」代謝を自分自身でコントロールすること、つまり意識して実践することをいいます。では何を意識すればいいのでしょうか?
それを知ることが最も大切なことになるので、ここではカロリーと副栄養素のアンバランスから起こるさまざまな栄養失調を、運動の有無により「代謝がどのように行われ」「どのような体型がもたらされるのか」を簡単にシュミレーションしてみたいと思います。

カロリー過多、副栄養素過多の場合

運動によりカロリーをエネルギーに変える際、使用するカロリーに見合った量の副栄養素が必要となる。このケースは運動すればするほど、Aは増えBは減少し、肥満を避けることができる(相対的肥満)。つまり1の場合、運動するかしないかが肥満の有無を決定する。

カロリー過多、副栄養素不足の場合

運動しようにも、カロリーと副栄養素のそろっている所までしかエネルギーに変えることはできないので、Cのラインまでしか運動はできない。たとえCのラインまで運動したとしても、D-A=B の分は必ず肥満となる(絶対的肥満)。つまりⅡの一合、副栄養素の摂取量と運動量が肥満度を左右する。

Ⅰ「カロリー過多」「副栄養素過多」の場合(完全栄養過剰)

カロリーに見合った運動をすれば問題ありません。運動不足の場合は、カロリーと副栄養素と共に使い切れず、両方とも余ってしまいます。そして余剰カロリーは蓄えられ、肥満となります。>>>相対的肥満

Ⅱ「カロリー過多」「副栄養素不足」の場合(現代版栄養失調)

いくら運動してカロリーを使おうとしても、副栄養素が不足しているために副栄養素の分までしかカロリーは消費できません。そのためカロリーは余り、肥満になります。また運動が不足した場合も、当然カロリーは余るので肥満になります。>>>絶対的肥満

Ⅲ「カロリー不足」「副栄養素過多」の場合

無理に運動をすればカロリーはすぐに使い果たされ、体に蓄えられているエネルギーを使うことになります。しかし、その使われる優位順位はブドウ糖、たんぱく質、脂肪の順なので骨や筋肉から落ちてしまいます。骨や筋肉が代謝されている間、脂肪はそのままなので一過性の隠れ肥満になり、その後で完全なやせに陥ります。運動をしない場合もスピードはゆっくりですが、最終的には同じです。

Ⅳ 「カロリー不足」「副栄養素不足」の場合(難民型完全栄養失調)

Ⅲの状態が急激に起こります。これを飢餓とも呼び、死の可能性が高いといえます。

以上の4タイプから、栄養失調にはカロリーが不足する飢餓型栄養失調と、カロリーは摂れていても副栄養素が不足するニュータイプの栄養失調があることが分かります。

このニュータイプの栄養失調は、いくら運動しようにも副栄養素が不足しているために、副栄養素のそろっているところまでしかカロリーをエネルギーに変えられません。
そのためにカロリーが必ず余り、肥満を確実に招いてしまうのです。このメカニズムを知らずにダイエットをすると、例え見た目がスリムになり体重が落ちても、骨や筋肉が減るばかりで体脂肪率は急増し、脂肪だらけの最悪の肉体になってしまいます。そして、ゆくゆくは多くの病気を招くことになるのです。
このカロリーと副栄養素の相関関係を理解したうえで自分の食生活を振り返ってみてください。あなたの食生活はファストフードやレトルト食品、コンビニ弁当、外食などの、現代を代表する加工食品が主になつてはいないでしょうか。
これらの中には、ジャンクフードと呼ばれる、カロリー過多で副栄養素が欠乏した食品類が数多くあります。これらを食べ合わせていると、間違いなくニュータイプの栄養失調により肥満になってしまうのです。
しかし、いくらカロリー過多で副栄養素が不足していても、代謝の末の余剰カロリーを捨てることができれば問題はありません。というのは、このニュータイプの栄養失調による肥満は、人類の過去の食歴が大いに関与しているのです。

人類は400万年前の誕生以来、その大半を飢餓との戦いの中で何とか生き永らえてきました。そのため肉体そのものが飢餓という環境にのみ順応できるように代謝システムを整え、準備するようにななってしまったのです。
つまり、いつ飢餓になっても大丈夫なように、余剰カロリーを体内に貯蔵する代謝システムを持っているために太るのです。
余っていらないカロリーを捨てることができれば、肥満とは無縁であったはずです。ここ数年の問に日本人をとりまく食環境は一変し、世界の先進国同様に欧米食の導入による飽食という新しい環境にさらされるようになりました。
さらに追い討ちをかけるように分かってきたことがあります。
それは日本人が遺伝的に太りやすく痩せづらいという事実です。これは逆にいうと飢餓に順応できる人の数が多いとも考えられますが、飽食の現代ではあだとなり、肥満する人口が増えやすいといえるのです。このことからも現在の日本人は、よりダイエットが必要な民族であるともいえるのです。

しかし心配はいりません。なぜなら遺伝というものは、どんな疾患でも必ず発現するものではなく、周辺環境や栄養が良ければ発症せずに人生を全うすることができるからです。私たち自身の手で肥満を防ぐことはできるのです。それにはまず、己を良く知り、現状を正確に分析してから対策を立てなければならないのです

最後に、食事で摂るカロリーと副栄養素を車に例えると、それぞれガソリン、エンジンオイルに匹敵します。革はガソリンとエンジンオイルを混合し、プラグで着火することにより動力を生み出すが、それと同じように人の休も、カロリーとそれに見合った副栄養素を使って化学反応を利用しATPというエネルギーを作り出し体を動かしている。
基礎代謝量とは、アイドリングの際使われるガソリンの量である。
車の場合、一連の動力発生システムは、電気系統及びコンピューターが制御している。しかし私たち人間の体はさまざまなホルモンが血液を介し、これと同じようなエネルギー代謝システムをコントロールしている。
車も人も共通なのは、人の意志がなければ動かないということ。どこに行くか、どの位のスピードで走るのかなど、すべては自分たちの意思(メンタル) によって決定されるのです。