カプサイシンで頑固な体脂肪を燃やす

トウガラシの辛み成分として知られるカプサイシン。トウガラシの発汗作用はカプサイシンによるもので、トウガラシを食べると、運動した時と同じように体が熱くなって汗が出てきます。

食べものとして摂取する以外にも、殺菌効果や保温効果のあるトウガラシは、民間薬として人々に伝えられ古くから使われてきました。

脂肪が多い食事でも太りにくい

カプサイシンが体温を上げるしくみは、持久的な運動をすると起こる体脂肪の燃焼のしくみと同じだということがわかっています。

食事で私たちの口から摂取されたカプサイシンは、80パーセント以上が血液中に入り、副腎を刺激します。そして副腎は、脂肪分解ホルモンのアドレナリンを分泌するのです。このアドレナリンが脂肪組織にたどり着くと、そこに蓄えられていた脂肪が分解され遊離脂肪酸となって、血液中に放出されます。肝臓では、血糖値を一定に保つために蓄えられていたグリコーゲンがブドウ糖へ分解されて血糖が上がります。そして、脂肪組織から分解された遊離脂肪酸とブドウ糖血液によって筋肉へと運ばれ、エネルギーとなって燃焼されます。

カプサイシンの摂取での体温の上昇と発汗は、体脂肪が燃焼され、エネルギーの代謝が促進されたために起こるということです。これを食事誘発性耐熱産生といいます。

ですから、カプサイシンを上手に利用すれば、サーモダイエットの効果を得ることができると考えられています。サーモダイエットとは、私たちが1日に消費するエネルギー量のうちの10パーセントを占める、食事誘発性耐熱産生の代謝に注目したダイエットです。

食事をして消化吸収されることで消費されるエネルギーですが、この食事誘発性耐熱産生の反応を高めることで代謝が上がり、太りにくい体質になります。京大教授がおこなったラットを使った研究では、カプサイシンを加えたエサを与えたラットの体脂肪が減少したという良い結果が出ているといいます。

また、カプサイシンのほかにも、コショウに含まれるピペリンやジンジャーに含まれるジンゲロンといった、アドレナリンを分泌させるスパイスがあります。こういった成分を食事にうまく取り入れると、カプサイシン同様の効果に期待できます。

ただし、刺激の強い成分なので、摂りすぎには注意が必要です。胃腸が弱い人や辛いものが苦手だけれどカプサイシンを取り入れたいという人は、サプリメントで摂取するのも良いです。

食事誘発性耐熱産生の反応は筋肉を増やすことで高まるので、食事と合わせて運動もおこなうことでより効果的になるでしょう。

カプサイシンでエネルギーの代謝をアップ

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