現代食は「栄養過剰の栄養失調」になったのか?

現代食を栄養学的に分析してみると、炭水化物、脂肪、蛋白質という3大栄養素であるカロリーは摂取過多で、それを代謝するために必要な副栄養素であるビタミン、ミネラル、ファイバーなどが欠乏しています。
それでは、なぜ副栄養素の失調が現代食に起こったのかを検証していきたいと思います。現代食には昔の食事と違う次の3点があります。

  1. )素材そのものの栄養価の低下
  2. 加工食品(欧米食)の増加(
  3. ライフスタイルの変化

まず、現在、生産されている野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素が、昔と比べると非常に少なくなっています。
よくお年寄りが「昔のトマトはもっと甘くて果物のようだった」とか「キュウリはもっと独特の青臭さみがあった」と言っているのを聞くことがありますが、それは味の記憶として残る確かなものでしょう。
その甘みや苦みにこそさまざまな栄養が含まれていたわけです。
実際に必要とするビタミンを生野菜から摂ろうとしたなら、昔の8~20倍、重さにすると400~500グラムもの量を食べなければならないといわれています。
しかし、このような大量の野菜を毎日皆が食べることは、現実的には不可能でしょう。
とはいえ、素材そのものに栄養価が少なくなっても、野菜や米や魚などを率先して食べていればまだましなのですが、現代食のように肉や抽を中心とした食事では副栄養素を含む素材の利用率も低くなっています。意識して副栄養素を多く含むものを食べている人でも、不足してしまうのが現実です。

さらに、栄養価の少なくなった生野菜を、切って、水につけて、熟を加えるといった料理という加工を施すことによって、副栄養素はさらにそぎ落とされていくのです。

そしてライフスタイルの変化ですが、これにより体内ではビタミンの消費量が、どんどん増加しているのです。社会の変化により私たちにかかるストレスは、身体的なものから精神的なものへと変化しています。

肉体は身体的ストレスには慣れやすく、抗ストレスホルモンの分泌量は回を重ねるたびに少なくなっていきますが、精神的ストレスは逆に回を重ねるほど多くなっていくのです。
このストレスホルモンを生産する際には、多量のビタミンが消費されます。ストレスが身体的なものから精神的なものへ変化している現代は、それに伴う抗ストレスホルモンの分泌量も増え、ビタミンの需要(消費量) も増大しているのです。

また薬を飲んでも、タバコを吸っても、お酒を飲んでも、痛みを感じても、スポーツをしても、水道水を飲んでも、ビタミンは破壊または消費されてしまうのです。

現在と過去のライフスタイルは劇的に変化しています。この変化により、現代の副栄養素の必要量は、日に日に増大しているのです。では、こうした少ない副栄養素の摂取量で、私たちがどのような代謝を行っているのかを説明してみましょう。

例えば、今朝食べた朝食の中にカロリーが10入っていてビタミンが3しか入っていなかったと仮定すると、私たちの体の中で行われる代謝でエネルギーの生産は、理論上ビタミンと同じ3までということになります。
余ったカロリー7は体にさまざまな形で蓄えられ、皮下に貯まれば皮下脂肪に、内臓周辺に貯まれば内臓脂肪に、肝臓に貯まれば脂肪肝に、動脈に貯まれば動脈硬化を引き起こす原因となっているのです。
もしも毎食毎食このカロリー10とビタミン3 のバランスで食事を摂り続けていけば、毎食毎食必ず7が余り続けることになります。
つまりそれが肥満であり、ゆくゆくは成人病をつくることになるのです。摂取したカロリーを効率的に過不足なくエネルギーに変えるには、必ずそれに見合うビタミン摂取量が最低限なければダメです。
カロリーが10ならビタミンは10 以上。これをしっかりと覚えておいてください。現代人の代謝のイニシアチブを握っているのは、不足しているビタミンをはじめとする副栄養素の摂取量なのですから。

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